暑い夏がやってきましたね。
気温の上昇や湿度の増加で体がだるくなったり、食欲がなくなったりと、夏バテに悩まされる方も多いのではないでしょうか?
そんな夏バテ対策に効果的な食品や栄養の摂り方をご紹介します。体力を回復し、元気な夏を過ごすためのヒントが盛りだくさんですので、ぜひ参考にしてみてください!
夏バテ対策におすすめの食品
夏バテ対策におすすめの食品は、体力を回復させ、疲労を軽減する栄養豊富な食品です。
以下は夏バテ対策に効果的な食品です。
スイカ
水分が豊富で、ビタミンCやカリウムを含んでいます。水分補給と電解質補給に最適です。
ビタミンCの効果
- 紫外線から身を守るために抗酸化作用のあるβ‐カロテン、ポリフェノール類、ビタミンEなどと協力して活性酸素を除去する。
- ストレスに対抗するホルモンである副腎皮質ホルモンの合成を促す。
- 鉄の吸収をサポートして貧血を予防する。
ビタミンCは熱に弱いので、加熱調理をせずに生のまま食べられる野菜や果物を積極的に摂ることがおすすめです。
カリウムの効果
- 汗とともに失われたカリウムを補給することで、筋肉の緊張やけいれんを防ぐ。
- カリウムには利尿作用があり、体にこもった熱を排出して冷やす効果がある。
- カリウムは血圧を下げる働きもあり、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病の予防にも役立つ。
トマト
リコピンを含む赤い色素成分が豊富で、抗酸化作用があります。ビタミンCも含まれているので、疲労回復に役立ちます。
リコピンの効果
- リコピンは高い抗酸化力を持ち、紫外線やストレスなどによって体内に発生する活性酸素を減らす働きがあります。それにより、肌の酸化ストレスや炎症を抑え、日焼け後のサンバーンやサンタンを軽減する効果があります。
- リコピンはインスリン(血糖値の上昇を抑えるホルモン)の働きを促進する効果があります。 これにより、血糖値の急激な上昇や下降を防ぎ、エネルギー代謝を安定させることができます。
- リコピンは血液中の悪玉コレステロール(LDL)が酸化するのを抑制したり、糖尿病や動脈硬化の予防・改善作用に効果的なホルモンである「アディポネクチン」の血中濃度を増加させたりと生活習慣病の予防も実証されています。
リコピンは、トマトやスイカなどの赤い食材に多く含まれていますが、加工することで生で食べるよりも吸収率が高まると言われています。
また、オリーブオイルなど油分と一緒に摂取したほうが、リコピンの吸収率が高まります。
レモン
ビタミンCが豊富で、酸味のある飲み物や料理に利用できます。さっぱりとした味わいが夏バテ予防に役立ちます。
ナス
ポリフェノールやカリウムを含んでいるため、疲労回復や体力向上に効果があります。
ポリフェノールの効果
- 高い抗酸化力を持ち、紫外線やストレスなどによって体内に発生する活性酸素を減らす働きがあります。それにより、肌や体の酸化ストレスや炎症を抑え、日焼け後のダメージや疲労を軽減する効果があります。
- 末端の毛細血管を活性化する働きがあり、夏場、冷たい飲み物やエアコンで冷えた手足を温め、血行をよくして、夏バテから来るぐったりした疲れの解消が期待できます。
夏野菜に多く含まれており、水分やカリウムも多く含んでいます。水分を補いつつ、カリウムの利尿作用により、熱をもった体を冷やしてくれる働きもあります。
鰻(うなぎ)
ビタミンAやビタミンE、タウリンが豊富で、エネルギーを補給し疲労回復をサポートします。
ビタミンAの効果
- 皮膚や粘膜の健康を保ち、免疫力を高める働きがあります。
- 夏は紫外線やエアコンなどによって、皮膚や粘膜が乾燥しやすくなります。その結果、感染症やアレルギーなどにかかりやすくなる可能性があります。
- 皮膚や粘膜のバリア機能を強化し、外部からの刺激や侵入を防ぐ効果があります。 また、白血球の働きを活性化し、免疫力を高める効果もあります。
ビタミンEの効果
- 強い抗酸化作用があり、細胞や組織を酸化ストレスから守る働きがあります。
- 夏は紫外線やエアコンなどによって、肌の乾燥やダメージが起こりやすくなります。その結果、肌のバリア機能が低下し、感染症やアレルギーなどにかかりやすくなる可能性があります。
- 肌のバリア機能を安定させ、適度な潤いを保つために必要な栄養素です。また、コラーゲンを破壊し、小じわや早期老化を引き起こす環境ストレス要因を自然に中和してくれる効果もあります。
ひじき
ミネラルや食物繊維が多く含まれており、バランスの取れた栄養補給に適しています。
食物繊維の効果
- 便通を促し、腸内環境を整える働きがあります。 腸は栄養を吸収する場所なので、腸の調子が良いと夏バテによる栄養不足や疲労回復にも効果が期待できます。
- 血糖値の上昇を抑える効果もあります。夏は暑さで食欲が落ちたり、冷たいものや甘いものを食べたくなったりしますが、それらは血糖値を急激に上げてしまいます。 血糖値が上がるとインスリンが分泌されてエネルギーに変わりますが、その過程で体温も上昇します。 体温が上がると汗をかいて水分や塩分が失われ、さらに夏バテを悪化させる可能性があります。
- 水分や塩分の吸収を助ける働きもあります。夏は汗をかくことで水分や塩分が不足しがちですが、食物繊維はそれらを腸内で保持してくれます。 また、水分や塩分と一緒にビタミンやミネラルなどの栄養素も吸収しやすくなります。
しそ
ビタミンB群やカルシウムが豊富で、疲労回復に役立ちます。おにぎりの具材やサラダに利用できます。
ビタミンB群の効果
- 糖質や脂質をエネルギーに変える働きがあります。夏は暑さで食欲が落ちたり、冷たいものや甘いものを食べたくなったりしますが、それらは糖質や脂質が多く含まれています。 糖質や脂質をエネルギーに変えることができないと、疲労物質がたまって体がだるくなったり、余分な脂肪として蓄積されたりします。
- 神経系の働きを正常に保つ効果もあります。夏は気温の高い室外と冷房による気温の低い室内との温度差によって自律神経が乱れやすくなります。 自律神経が乱れると、胃腸の働きや血圧の調節などに影響が出て、食欲不振やめまいなどの症状を引き起こします。
- 紫外線から体を守る抗酸化作用もあります。夏は強い紫外線によって体内に活性酸素が発生しやすくなります。 活性酸素は細胞のダメージを引き起こし、老化や病気の原因になります。 ビタミンB群は活性酸素を除去する働きがあり、細胞の健康を保ちます。
青魚
サンマやサバなどの青魚には、EPAやDHAが含まれており、疲労回復や脳機能の向上に効果があります。
EPAやDHAの効果
- 不飽和脂肪酸の一種で、血液の流れを良くする効果があります。夏は暑さで発汗量が増え、水分や塩分が失われると、血液がドロドロになりやすくなります。 血液がドロドロになると、血管が詰まったり、血圧が上昇したり、心臓に負担がかかったりします。
- 血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす効果もあります。中性脂肪や悪玉コレステロールが多いと、動脈硬化や心筋梗塞などの心疾患のリスクが高まります。
- 抗炎症作用もあります。夏は紫外線による皮膚の炎症やアレルギー反応が起こりやすくなります。 EPAやDHAは炎症を抑える働きがあり、皮膚のトラブルを予防したり、改善したりする効果が期待できます。
大豆製品
豆腐や納豆などの大豆製品は、良質なタンパク質を含み、体力回復に役立ちます。
タンパク質の効果
- 筋肉や内臓や血液、免疫抗体の原料やホルモンなど体の組織をつくる元となり、疲れを回復させ持久力を上昇させる栄養素です。
- 夏は暑さで発汗量が増え、水分や塩分が失われると、血液がドロドロになりやすくなります。血液がドロドロになると、血管が詰まったり、血圧が上昇したり、心臓に負担がかかったりします。
- 血液中のアルブミンを作ることで、血液の粘度を下げて流れを良くする効果があります。アルブミンはまた、水分やミネラルのバランスを保つ働きもあります。
- 免疫細胞や抗体を作ることで、感染症やアレルギーに対抗する効果もあります。夏は紫外線による皮膚のダメージや食中毒などのリスクが高まります。
カキ氷
シロップを控えめにして、氷にビタミン入りのジュースや果物をかけると、リフレッシュできます。
夏バテの時の栄養摂取について
夏バテ対策の一つとして、適切な栄養摂取が重要です。
本項目では、夏バテの時におすすめの栄養摂取方法と、バランスの取れた食事のポイントをご紹介します。
水分補給
夏場は暑さと湿度により、通常よりも多くの汗をかきます。これによって体内の水分やミネラルが失われ、脱水症状が起こりやすくなります。夏バテの予防には、こまめな水分補給が欠かせません。
主に水だけでなく、スポーツドリンクやミネラルウォーター、野菜や果物の水分も利用しましょう。
軽めの食事がおすすめ
暑い季節には胃腸の消化機能が低下するため、重たい食事は避けるべきです。
軽めで消化しやすい食事を心掛け、小分けにして何度かに分けて摂ると負担が減ります。
野菜や果物、豆腐、冷製麺類などがおすすめです。
ビタミンCを摂ろう
ビタミンCは抗酸化作用があり、免疫力を高める助けとなります。
夏バテで疲れがちな時には、ビタミンCを多く含む野菜や果物を摂取しましょう。
代表的な食品としては、オレンジ、レモン、ブルーベリー、トマト、ピーマンなどがあります。
ミネラルのバランスを保つ
夏は汗をかく量が増えるため、ナトリウムやカリウムなどのミネラルも失われやすくなります。バナナやスイカなどのカリウムが豊富な食品を摂取し、ミネラルのバランスを保ちましょう。ただし、食事だけでなく過剰な塩分摂取には注意してください。
おやつにヨーグルトを食べよう
夏場は乳酸菌が温度に弱いため、腸内環境が崩れがちです。
ヨーグルトに含まれる乳酸菌は腸内環境を整える助けとなります。
また、ヨーグルトにはたんぱく質やカルシウムも含まれており、栄養豊富なおやつとして最適です。
まとめ
夏バテの時には適切な栄養摂取が健康を維持する上で重要です。
水分補給をこまめに行い、ビタミンCやミネラルをバランスよく摂取することで免疫力を高めることができます。
また、軽めの食事や消化しやすい食材を選ぶことで、体への負担を軽減しましょう。
健康的な食生活を心掛けることで、夏の疲れや体調不良を軽減することができます。
<参照>
夏バテに気をつけましょう:農林水産省 (maff.go.jp)
第3回 ビタミンCで疲れ・ストレス・夏バテ対策:看護マンガ・ライフ&キャリア記事|読み物|ナース専科 (nurse-senka.jp)
夏バテ予防・対策に大切な7つのポイント|がんばるあなたに。疲れの情報局|アリナミン (alinamin.jp)
食で夏バテ対策!元気回復におすすめの食事とは? |ルネサンスマガジン (s-re.jp)
栄養士が解説!夏バテ予防に効果的な食べ物10選 (cosmopolitan.com)
【医師が解説】夏バテするのはなぜ?原因と対処法を紹介 – EPARKくすりの窓口コラム|ヘルスケア情報 (kusurinomadoguchi.com)
意外と知らない、リコピンの効果! ダイエット・コレステロールとの関係は? | 美的.com (biteki.com)
夏こそ「朝トマト」で元気に!リコピン吸収率は朝と昼で大きく違うと判明 | サライ.jp|小学館の雑誌『サライ』公式サイト (serai.jp)
ビタミンE|栄養素カレッジ|大塚製薬 (otsuka.co.jp)
夏バテ予防には『食物繊維』を。おすすめ食材5選&レシピ集 | キナリノ (kinarino.jp)