舌痛症と医者に言われたんだけど、
何か治る薬やサプリメントはない?
先日、店頭で患者さまから受けたご相談です。
相談を受けた際に調べて、症状を改善すると報告のあるサプリメントを見つけましたのでご紹介いたします。
耳慣れない病名だと思いますので、まずは舌痛症の症状からみていきましょう!
舌痛症の症状
舌痛症(バーニングマウス症候群)は口の中の粘膜面に生じる原因不明の痛みです。
自覚される痛みの性質は、持続性でやけるような(ヒリヒリ、カーッとした)痛みであったり、刺すような(チクチク、ズキズキ)と表現されることが多いです。
多くの場合、舌や唇に限局しますが、より広範囲に及ぶ可能性があり、すべての口腔粘膜が関与します。
舌痛症は主に女性に影響を及ぼし、特に閉経後に有病率が上がります。
舌痛症(バーニングマウス症候群)の原因として考えられることは?
現在のところ明らかな原因は分かっていません。
閉経後の女性に多くみられることから、性ホルモンを介した何らかの内分泌機能異常が影響しているのではないかと疑われています。
また、舌痛症の患者には心理的ストレスを抱えている人が多く、社会心理的な要因が発症にかかわっていると考えられています。
他に口の灼熱感の症状は、感染症、アレルギー、ビタミン欠乏症、入れ歯の不適合によっても引き起こされる可能性があります。
舌痛症を改善するサプリメント
舌痛症を改善するという報告があるサプリメント、、、、
それはα-リポ酸(アルファリポ酸)です。¹⁾
栄養補助食品であるα-リポ酸を、600 mg /日を20日間、その後200mg /日で10日間服用した結果、76%の被験者が症状の改善があったと回答しました。
α-リポ酸を服用しなかったプラセボ群の改善率は21%でした。²⁾
また他の研究でも、α-リポ酸を、200mg、1日3回、二か月服用した結果97%の被験者が症状が改善していると回答しています。
この研究のプラセボ群の改善率は40%でした。³⁾
またどちらの研究でも目立った副作用は報告されていません。
α-リポ酸(アルファリポ酸)とは?
α-リポ酸は、細胞内でエネルギーをつくり出す際に必要な物質で糖の分解を担っています。
栄養素としてビタミンに似た働きをするビタミン様物質であり、抗酸化物質です。
体内での合成量は微量なため、食物から積極的に摂取する必要があります。
牛・豚の肝臓、心臓、腎臓に含まれており、また、ほうれん草、トマト、ブロッコリーなどにも含まれていますが、かなり微量なようです。⁵⁾
中年期以降、体内合成量が減少するので、食物からだけでなくサプリメントからとるのが合理的です。
食品と同時に摂取すると吸収が悪くなるので、食事の30分前にとることがすすめられています。⁴⁾
まとめ
アルファリポ酸は、さまざまな組み合わせで、ドラッグストアで購入できます。
処方薬を服用したくない患者さんにおすすめです。
ただ自己判断で対処せず、長期につづく口腔内の痛みがあれば、まず医師、薬剤師、歯科医師にご相談ください。
相談した上で、あなたにとって最良の治療方針をみつけましょう。
参考文献
1)Joanna Zakrzewska and John A. G. Buchanan Burning mouth syndrome ,Search date January 2015
2)Femiano F, Gombos F, Scully C, et al. Burning mouth syndrome (BMS): controlled
open trial of the efficacy of alpha-lipoic acid (thioctic acid) on symptomatology.
Oral Dis 2000;6:274–277.
3)Femiano F, Scully C. Burning mouth syndrome (BMS): double blind controlled
study of alpha-lipoic acid (thioctic acid) therapy. J Oral Pathol Med
2002;31:267–269
4)サプリメント健康事典、日本サプリメント協会
5)厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課新開発食品保健対策室 α-リポ酸に関するQ&A