危ない頭痛の見分け方

生活習慣

頭痛がひどいの。

病院に行ったほうがいいかしら?

薬局では頭痛に関する相談がよくあります。

頭痛には「受診すべき頭痛」「様子見できる頭痛」が存在。

今回は薬局店頭で、薬剤師がどのように頭痛を判断(トリアージ)しているのかをご紹介します。

危ない頭痛に当てはまるようであれば、救急でもよいのですぐに受診すべきです。

危ない頭痛と様子見できる頭痛の特徴

先に結論のまとめを記載します。

下記のような危険な頭痛の特徴を伴うと、血管障害、神経障害、精神障害に起因する頭痛が疑われます。

市販薬では対応できないため、すぐに受診が必要です。

危険な頭痛様子見できる頭痛
秒単位、突然発症いつもの痛み
今までに経験したことがない反復する痛み
発熱と嘔気を伴うが、上気道炎症状がない
ふらつき、めまい、しびれ、視力障害が同時期からある
抑うつ気分、興味の喪失を伴う
日に日に増悪傾向にある

二次性頭痛は危険!

頭痛のトリアージでは真っ先に「二次性頭痛でないか」を確認する必要があります。

二次性頭痛とは血管や神経、精神の異常が原因として発症する頭痛のことです。

一次性頭痛と二次性頭痛

分類疾患
一次性頭痛片頭痛
緊張型頭痛
・三叉神経痛、自立神経性頭痛
・その他の一次性頭痛性疾患
二次性頭痛・頭部または頸部(あるいはその両方)の外傷・傷害による頭痛
頭頚部血管障害による頭痛
・非血管性頭蓋内疾患による頭痛
・物質またはその離脱による頭痛
・感染症による頭痛
・ホメオスターシスの障害による頭痛
(低酸素、高炭酸ガス、高山性、飛行機、潜水時、睡眠時無呼吸)
・頭蓋骨、頸、眼、耳、鼻、副鼻腔、歯、口あるいはその他の顔面・頭蓋の
 構成組織の障害に起因する頭痛あるいは顔面痛
精神疾患による頭痛
有痛性脳神経ニューロパチー、
他の顔面痛およびその他の頭痛
・有痛性脳神経ニューロパチーおよび他の顔面痛
・その他の頭痛性疾患

見逃せないポイント

下記が二次性頭痛を疑う症状の強度と時間の関係です。

左のグラフのように症状が急に発症する場合は、血管がやぶれる・詰まるなどの血管病変が疑われます。

何をしている時に痛みが出たか答えられるようであれば要注意です。

右のグラフのように日に日に増悪傾向のある頭痛脳腫瘍などが疑われます。

改善の見られない頭痛も受診が必要です。

二次性頭痛のトリアージポイントは突発、初発、最悪、増悪です。

様子見できる頭痛とは?

二次性頭痛を否定できたら、次は「片頭痛ではないか」を評価。

片頭痛を含む一次性頭痛の特徴は次のとおり。

片頭痛緊張型頭痛群発頭痛
頻度8.4%22%0.01%
持続時間4時間~3日間反復性:30分~1週間
慢性:3か月以上にわたり半分以上
15分~3時間
偏在性60%が片側両側(1/3は片側に偏る)厳密に一側性
性状拍動性:非拍動性=1:1圧迫感・締めつけ感(非拍動性)目をえぐられるような
態度暗い静かな部屋でじっとしている目立った変化なし痛みで転げまわる
随伴症状嘔吐、光・音過敏
閃輝暗点(約30%)
肩こり、めまいなど網膜充血、流涙、鼻閉、
発汗、眼瞼下垂など
楽になる行動冷やす、目を閉じる、安静にする温める、ストレッチをする

この特徴をもとに、下記のポイントを確認します。

拍動性の痛みとは心臓の鼓動に合わせて痛む感覚です。

片頭痛の診断ポイント

・持続時間は4時間~3日間

・日常生活に支障がある強い痛みで、嘔気・嘔吐を伴う

拍動性であれば可能性が高いが、なくても否定できない

光、音、運動で悪化する

前兆症状(閃輝暗点)があれば可能性は極めて高いが、ないほうが多い

以前にも同様のエピソードがあったことを必ず確認する

一次性頭痛の症状強度と時間の関係は次のとおりです。

以前にも同じような経験があることがポイント。

片頭痛の鎮痛薬

『エキセドリンA錠』などの「アセトアミノフェン」+「アスピリン」+「カフェイン」の3剤併用は、「アセトアミノフェン」やNSAIDs(ロキソニンなど)単独での治療よりも、緊張型頭痛や片頭痛に効果的とする報告があります。

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「片頭痛」は症状が重いと市販薬では十分に改善しないことがあります。

その場合、病院を受診して片頭痛治療の第一選択薬である「トリプタン製剤」を処方してもらう必要があります。

まとめ

頭痛の診断ポイント

・頭痛には、一次性頭痛と二次性頭痛がある。

・最初に二次性頭痛ではないかを判断する。

 二次性頭痛であれば生命にかかわるので、すぐに受診が必要。

・二次性頭痛を除外できたら片頭痛かどうかを判断する。

・片頭痛でなければ緊張型頭痛を考える。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

頭痛の予防に役立つサプリメントをまとめた記事もございます。⇒ こちら

ぜひ、ご覧ください。

参考文献

1)症状対応ベスト・プラクティス、学研マーケティング

2)OTC医薬品の比較と使い分け、羊土社

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